暑かった夏が過ぎ、急に寒くなってしまいました。朝夕の寒暖差が10度もある日もあります。そんな時、起こしやすいのが“秋バテ”です。
そこで今回は、消化器内科がご専門で、ご自身でも健康の情報をYouTubeにて配信するなどされている川西市立総合医療センター、総長の三輪洋人先生にお話を伺いました。
―今年の夏が特に暑かったからか、急に気温が下がると体調があまりよくないです―
『気温の変化で自律神経のバランスが崩れているのかもしれませんね。夏の疲れがいっきに出てしまう、例えば、冷房で体を冷やしすぎていた、冷たい食べ物ばかり食べていた、熱帯夜も続いたのであまり眠れなかった、こういったことが重なると“秋バテ”、私は“胃バテ”とも呼んでいますが、なんだか体調が優れないということが起きてきます。最近の研究でも、胃腸を冷やすと胃腸の働きが低下するということが分かっていますので、お腹を冷やすというのは、良くありません。』
―では、対策としては、暖かくするとか睡眠をしっかりとるということになりますか―
『そのとおりです。体を冷やさないように心がけ、自律神経を乱さないような生活を送ることです。
①毎日決まった時間に起きて、決まった時間に寝ること。十分な睡眠をとってください。
②食事もバランスの良いものを心がけてください。ただ、冷たい飲み物に関しては、飲んでも良いですが、がぶ飲みはしないように。ゆっくりと飲むようにしてください。
あとは、ストレスも自律神経に関りがありますから、ため過ぎないように。』
―わかりました、心がけます!先生は、医師としてのお仕事の他に、こうした健康情報をYouTubeにて発信していますが、どういったきっかけで始めたのですか?―
『それは“社会貢献”です。今、様々な情報がネットの中で溢れていますが、本当に正しい情報を知ってほしいという気持ちがありましたし、あとは、新しいことを始めたいと思ったことも大きなきっかけでした。私はずっと大学に勤めておりましたが、定年を迎えることになり、現在の川西市立総合医療センターにうつった訳ですが、勤務以外に、他にちょっと自分も楽しめるようなことを始めてみたいと思い挑戦してみることにしました。』
―先生のYouTubeはとてもわかりやすいです!―
『ありがとうございます。現在、登録者数が1670人で、“大腸内視鏡検査ぜんぶ見せます!”という回は12万回視聴されていますので、嬉しいです。』
―私も拝見しましたが、どんな風に検査が行われるのか、初めての人にとってはもの凄く参考になる動画でした―
『検査前にどんな薬を飲んで、どんな検査着を着てという最初の段階から、機械の説明、検査中はどんなことを医師が行っているのかなど皆さんがよく不安に思っているようなことをしっかりとお伝えできたと思います。』
―そうですよね。最後、挿入した内視鏡の洗浄の方法まで知ることができました(笑)―
『大腸内視鏡検査は恥ずかしく、辛くて痛いと思っている方が多いので、そんな皆さんの不安が少なくなればよいと思っています』
―今後も、医師として、またYouTuberとして活動していくのでしょうか―
『そうですね。医師としてはいつも“科学としての医療”ということを頭にいれています。医療も昔、常識だったものが今は全く常識ではないというものが沢山あります。ですから、いつも今自分がしていることが本当に正しいことなのかを自分自身に問いかけながら治療をしています。また、現在は総長としての立場があるわけですが、総長は病院のリーダーですよね。私はリーダーというのは、”先を見通す力“と”伝える力“そして”人に対する優しさ”が必要だと思っています。一歩先の事を考えて進むこと、伝える力は、YouTubeを御覧いただければわかりますよね?(笑)そして、一番大切なのは、やはり優しさです。患者さん、患者さんのご家族、そして、病院で働く仲間たちを愛せるようなそんなリーダーでありたいと思っています。』
―先生の病院は私も訪れましたが、とても明るく清潔で居心地が良かったです―
『最後に、大事なことが一つあります』
―なんでしょうかー
『ぜひみなさん!【Dr.三輪洋人の健康チャンネル】チャンネル登録してくださいね!https://www.youtube.com/channel/UCY1nl8YCU1dgW31wUWh7sww 』
―確かに大事なことでした(笑)これからも、沢山のみなさんに正しくて知りたい情報を教えてください!ありがとうございましたー
■三輪洋人■
兵庫医科大学にて18年間教授を務めたのち、現在は川西市立総合医療センターの総長として勤務。
川西市立総合医療センター
https://www.kawanishi-hospital.jp/
著書
・『胃は歳をとらない』
・『婦人公論 新・心とからだの養生学「胃の不調はなぜ起こる?」』
・『別冊NHKきょうの健康 シニアの逆流性食道炎 こみ上げる胃酸にもう悩まない』
など多数
≪編集後記≫
三輪先生は、機能性ディスペプシアや逆流性食道炎、慢性胃炎などでとても著名な医師でいらっしゃいますが、とてもユーモアがあってサービス精神に溢れていらっしゃいます。なので、インタビューはとても楽しい時間でした。先生のあのYouTubeですが、実は撮影と編集は奥さまがされているそうです!びっくりしました。ぜひ、YouTubeをご覧のみなさま、カメラの奥で、奥さまが頷いているのを想像しながら見てみてください♪