企業必見!産学連携を成功させるコツ

今回は『お客様の課題解決をオープンイノベーションで実践する広域TLO』をスローガンに産学連携を推し進めている(株)キャンパスクリエイトの須藤 慎プロデューサーにお話を伺いました。

―まずは、キャンパスクリエイトについて教えてください―

『はい、当社は電気通信大学内に事務所を構えていまして、電気通信大学から技術移転に関する業務委託を受けTLOとして活動しています。TLOとしては日本で初めてISOを取得しました』

―ISOというと製品につくイメージですが、御社の取り組みに認証を受けたのですね。それは、産学連携をする上でも信頼感が高まりますね―

『ええ、全国的にみてもユニークな技術移転機関として高く評価されていると自負しています。』

―広域TLOというと電気通信大学だけの関わりではないですよね―

はい、当社は国立大学法人電気通信大学の承認・認定TLOとして経済産業省・文部科学省の認可を受けていますが、独立した企業として「広域TLO」に位置付けられる組織です。一つの大学に留まることなく、全国の大学とも連携しています。企業の課題について、解決可能な先生を全国から探し企業のニーズと大学のシーズを繋いでいます。』

―様々な産学連携事例をご経験かと思いますが、産学連携を成功させるために、企業はどのような事を気を付けたら良いでしょうか―

テーマをはっきりすることです。実際にどのようなことをしたいのか具体的にしてほしいです。よくある問い合わせは、“何か面白いシーズはないですか”とか今取り上げられることの多いAIやIoTについて漠然と“何か取り入れることはできないか”、とか。そうなりますと、通常はなかなか大学としては対応するのが難しいと言われています。

あとは、話が進むにつれて、先生と企業とで意見のすれ違いが出てきてしまうことがあるのですが、よりスムーズにしたいのであれば、研究を大学に丸投げせずに、企業側も主体的に一緒に作っていくんだという意識や取り組みが必要だと思います。実際に、産学連携に慣れている大企業では大学との役割分担やスケジューリングなど進め方を理解されています。中小企業ですとなかなか難しいとは思いますが一人でもその研究に対しプロジェクトマネージャーのような常に研究に携わっているような担当を立てると良いと思います。

そうした問題点をふまえ、私達が行っているサービスは、まず企業の課題を多角的な視点で相談に乗り研究者の調査や新規事業の企画提案を行います。その後は先生と企業の間に入り目標やスケジュールなどプロジェクトのプランニングをします。ここはとても重要で、先生と企業の調整役としてスムーズにプロジェクトが進むよう気を遣うところです。また、研究が進むにつれ課題も出てきますので、解決に向け新たに他の先生や企業にもご協力を促すなどマネジメントもしていきます。産学連携には、予期せぬ課題が出てくることが多々ありますから、顧客の皆様の満足を最重視して成果が出るように努力していきます。』

―先生と企業との調整役、コーディネーターとしての役割は産学連携を成功させる上でとても重要ですね。では、今、旬のシーズをご紹介いただけますか?―

『はい、電気通信大学としては、黒﨑晏夫客員教授が発明した”赤外線レーザとヒートシンクを用いて透明な樹脂同士を表面がきれいなまま溶着する技術“です。従来の工法における問題点をクリアしていまして、有害ガスなどが発生せずクリーンな環境が維持出来る、熱損傷がないので高品質な外観の実現など様々なメリットがある技術です。この技術を様々な用途で波及させるために現在は、異分野連携の研究開発コンソーシアムを立ち上げ運営しています。』

―今後の産学連携の可能性についてはいかがでしょう―

『今、当社で動いているのは定年退職した先生方にご活躍頂こうというものです。ご退職された先生は現役時と比べて束縛もなく時間的な余裕があります。何より技術、知識、経験があります。論文にならないテーマであっても一緒にアドバイスを受けながら開発することも可能ですし、企業のコンサルや教育なども担う事ができます。特に企業の人材育成は時間がかかったりと難しいですが、定年退職された先生に企業にお越しいただいて技術者向けの講習会を開くといったこともできますから、そうしたサービスモデルも作っていこうと考えています。』

―知識や経験値が高いご退職された先生方の力は企業にとっても、産学連携を推進する意味でも力強い味方になりそうですね。では、最後に企業に向けメッセージをお願いします―

『そうですね。産学連携とは関係ないと考えている、また、大学は敷居が高いと考えている企業のみなさんにもぜひ、課題解決の一つの窓口として産学連携を知ってもらいたいですし、何でも相談してほしいと思います!』

 

(株)キャンパスクリエイト

〒182-8585 東京都調布市調布ヶ丘1-5-1
国立大学法人電気通信大学産学官連携センター内

TEL  042-490-5734

http://www.campuscreate.com/

 

 

 

 

産学連携推進協会

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『企業』と『大学教授』をつなぐ産学連携サービスを提供しています。

これまでとは違う新しい切り口で産学連携の推進を目指し、産学連携の間口を広げ、産学連携を推進することを目的としています。

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