【seeds 計測】PM2.5や黄砂粒子を一つ一つ観察できる携帯型粒子捕集装置(技術編) (応用編)
- 2018/2/21
- 大学のシーズ
工学院大学
坂本 哲夫 先進工学部応用物理学科 教授
分野:エネルギー・環境、計測・制御
PM2.5や黄砂など、大気微粒子を捕集する新しいサンプラーです。本装置を使えば、Siウエハ上に粒子が捕集でき、
電子顕微鏡などで粒子を一つ一つ、明瞭に観察することができます。
【 技術編 概要 】
PM2.5や黄砂など、大気微粒子を捕集する新しいサンプラーである。
本装置を使えば、Siウエハ上に粒子が捕集でき、下図のように、電子顕微鏡などで粒子を一つ一つ、明瞭に観察することができる。
また、ウエハ上に粒子を均一に捕集するための工夫を凝らした。
そのため、SEMで粒子を数えたり、粒径分布計測や形状識別などの画像処理が可能で、大気中にどのような粒子群があったのかについても、情報が得られる。
【 アピールポイント 】
装置は電池駆動で 従来法、小型軽量のため、「いつでも、どこでも」サンプリングができる。
捕集基板には6ミリx6ミリのSiウエハを用いる。これにより、従来のフィルター方式よりも、各段に粒子を観察しやすくなっている。
したがって、電子顕微鏡観察粒径分布や形状分別などの画像処理が可能である。
また、吹付ノズルとSiウエハを相対的に動かしながら捕集することで、2ミリx2ミリの範囲に粒子を均等に捕集することができるようになった。
【 利用・用途 応用分野 】
大気化学分野: PM2.5や黄砂の形状観察・統計処理によるモニタリングや起源解析
● 工業分野: 排ガス等の評価、発生源対策
● 精密加工分野: クリーンルーム大気中の微粒子評価、発生源解析
【 関連情報 】
●知的財産権= 微細部位イメージング装置(特開2014-22344)、集束イオンビームを用いる微細部位解析装置(特許4785193)
●関連論文 =大塚 紀一郎,江坂 将,三浦 祐哉,坂本 哲夫, エアロゾル粒子の個別分析のための分散型インパクター捕集器の開発, 分析化学, 63(4) 317-322 (2014).
●関連 URL =工学院大学・応用物理学科・物質計測制御研究室 http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~wwc1045/
【 応用篇 概要 】
微粒子を平滑なSiウエハ上に捕集できるため、SEM画像を二値化・輪郭抽出する こ とで 、
個々の粒子の大きさ・形状に関するパラメータを得ることができる。
それにより、個別粒子の観察だけではなく、多数粒子の統計情報を抽出することができる。
【 アピールポイント 】
アスペクト比、周囲長、フェレ径などの形状パラメータから、粒子を形状ごとに分類・カウントするソフトウェアを開発した。
下図は多数粒子を解析にかけ、3つのタイプの粒子形状に分別した結果である。
Siウエハを走査しながら捕集するため、ウエハ上の場所による粒子の捕集にばらつきがなく、信頼性の高い統計情報が得られる。
同様の実験を従来型サンプリング方式(Agフィルター、ガラス繊維フィルター、ポリカーボネートフィルタ)で行ってみると、形状に関する情報は得られず、本捕集装置の特長が明らかになった。
サンプリング~SEM観察、統計処理まで数時間で可能であり、粒子の定点観測や場所による違いの測定も可能である。
【 利用・用途 応用分野 】
● 大気化学分野: PM2.5や黄砂の形状観察・統計処理によるモニタリングや起源解析
● 工業分野: 排ガス等の評価、発生源対策
● 精密加工分野: クリーンルーム大気中の微粒子評価、発生源解析
【 関連情報 】
知的財産権= 微細部位イメージング装置(特開2014-22344)、集束イオンビームを用いる微細部位解析装置(特許4785193)
●関連論文 =大塚 紀一郎,江坂 将,三浦 祐哉,坂本 哲夫, エアロゾル粒子の個別分析のための分散型インパクター捕集器の開発, 分析化学, 63(4) 317-322 (2014).
●関連 URL =工学院大学・応用物理学科・物質計測制御研究室 http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~wwc1045/
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