【seeds 高齢者関連】尿発電を用いたバッテリレス無線尿失禁センサシステム
- 2018/6/25
- 大学のシーズ

~何気に自然にさりげなく尿失禁を知らせる究極のウェアラブルデバイスを目指して~
立命館大学 理工学部 電子情報工学科 講師 田中 亜実 教授 道関 隆国
研究内容
尿失禁疾患は幅広い世代で問題となっており、患者や看護者の日常生活の質に大きな影響を及ぼしている。治療・おむつ交換時期の自動検知のために尿失禁センサが開発されてきたが、従来のセンサはセンシング回路や無線機の駆動に電池が必要であり、電池残量確認・交換の手間の問題等が課題であった。そこで我々は、失禁時の排尿を用いて発電する尿発電をおむつへ適用させ(尿発電デバイス)、その電力で無線機を駆動して尿失禁を知らせる、電池交換不要なセンサを開発した。特に、尿発電デバイスの特徴を考慮した電源変換回路を開発することで、尿発電の電力で無線機を駆動可能とし、発電ばらつきによるセンサの応答速度ばらつきを低減させた。
尿発電を用いたバッテリレス無線尿失禁センサシステム
尿を電解液として発電する尿発電を電力源とし、無線機を駆動してID情報付きの無線信号を送信することにより、受信機側へ尿失禁を自動で知らせるセンサシステム
おむつ一体型尿発電デバイス
電源変換回路
発電電力を一度内部抵抗の小さなキャパシタに蓄電⇒消費電力がmW級の無線機を駆動
低電圧から起動可能な電源変換回路構成⇒センサの応答速度ばらつきを低減
発電している間は間欠に無線信号を送信
セールスポイント
エナジーハーベスト技術を用いたバッテリレスシステムの構築に関する回路設計等に関して研究しています。
活用例・応用例
- ・高齢者の尿失禁治療への活用
- ・介護現場でのおむつ交換時期の自動検知
- ・小児の夜尿症治療に用いられる夜尿アラーム
特許情報
特開2013-094175/特開2013-233049/特願2014-116596
研究キーワード
・バッテリレス ・ウエアラブルデバイス ・低電力回路 ・エネルギーハーベスト
※こちらのシーズに関しては立命館大学BKCリサーチオフィスまでお問い合わせください。


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