「透析中は安静に」は本当か? 常識を変えた医師が見つめ続けた患者さんの人生

今回は、腎臓リハビリテーションの第一人者である上月正博先生(山形県立保健医療大学 理事長・学長/東北大学名誉教授)に、“透析中に運動する“が生まれた背景と、その先にある患者さんへの思いを伺いました。

「透析中に運動するんです」

初めて、上月正博先生からそう伺ったときは、びっくりしたものです。

透析というと、ベッドで安静に過ごすもの。

そんなイメージを持っている方、いまでも多いのではないでしょうか。

岩田:『“透析の最中に運動する“という発想は、どのように生まれたのでしょうか?』

上月先生:『はい、それは、患者さんたちの姿なんです。』

透析導入前は元気だった方が、1年ほど経つと歩かなくなってしまう。

活動量が減り、体力も落ちていく。

そんな患者さんを見ながら、上月先生は考えたそうです。

「本当に安静が患者さんのためなのだろうか」

そこで、当時参考にしたのは1980年代の海外の論文だったそうです。

その論文に透析中に運動することが書いてあり、読んだ上月先生自身も驚いたといいます。

「私も最初は、透析の針が抜けないのだろうかと思いました(笑)」

これが、患者さんのためになる可能性がある。

その思いから、2006年に透析中運動への挑戦が始まりました。

インタビューの中で印象的だったのは、上月先生が語るのは論文やデータだけではなかったことです。

透析後もふらつかず、自転車で帰宅できるようになった患者さん。

社交ダンスを始めた患者さん。

再び山登りに挑戦した患者さん。

一つ一つのエピソードを聞いているうちに、私の中で「運動療法」という言葉のイメージが変わっていきました。

それは単なる身体機能の改善ではなく、患者さんの人生そのものを取り戻していく医療だったからです。

医療の常識は、ときに患者さんの可能性を狭めてしまうことがありますよね。

「透析中は安静に」

当たり前とされてきた考え方に疑問を持ち、本当に患者さんのためになることを問い続ける。

上月先生のお話からは、研究者としての探究心と、医師として患者さんに向き合う姿勢の両方を感じました。

そして、その問いかけが、多くの患者さんの人生を変えてきたのだと思います。

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インタビュー・記事/岩田まこ都

上月先生は、腎臓リハビリテーションで世界的にも有名な先生なんですが、とっても人当たりが良くて、素敵な先生なんですよ~いつも笑顔でお元気です!先生には、普段の健康法(筋トレが凄い!)や趣味についてもお聞きしていますので、またの機会にアップしますね。実は、動画も録ったのですが、音声が悪すぎて、アップは厳しくて。。なにもかも手作りなDOCTOR’SVOICE、引き続きよろしくお願いいたします。

上月先生のプロフィールはコチラ⇒上月正博の記事一覧

岩田まこ都
岩田まこ都推定2,000人の医師にインタビューしてきたフリーアナウンサー
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2003年よりNHKETV『きょうの健康』を担当。途中、中抜けするも、2025年度までキャスターを務める。フリーアナウンサーの傍ら、一般社団法人産学連携推進協会の理事を務め、大学と企業を結ぶ活動にも尽力。

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