【seeds 土砂災害・防災関連】豪雨による土砂災害リスクを予測する新手法の開発 ~令和元年東日本台風による宮城県丸森町の土砂災害データで有効性を検証~

東北大学 災害科学国際研究所 計算安全工学研究分野 准教授 森口周二

■ポイント

豪雨によって発生する土砂災害リスクを、広域かつ高精度で把握する手法を開発した。

本手法では、「時間の推移とともに雨水が山の斜面の内部に浸み込み、斜面が不安定になった結果、斜面が崩壊して土砂災害が発生する」一連のプロセスを考慮した。

本手法の有効性を、令和元年東日本台風で土砂災害が多発した宮城県丸森町を対象に検証したところ、結果は実際の被害とよく一致し、手法が実際の土砂災害に適用可能であることを実証できた。

近未来型の土砂災害リスク評価・予測手法として、実用化・国内外での汎用化が期待される。

■概要

土砂災害リスクの正確な把握と被害の高精度な予測は防災・減災の重要課題です。東北大学災害科学国際研究所の森口周二准教授らの研究チームは、広域の土砂災害リスクを高精度に評価できる手法を新たに開発しました。開発にあたっては、時間の推移とともに雨水が斜面内部に浸透し、斜面の安定性が低下して土砂災害が発生するメカニズムを考慮したモデルを、広域に適用可能な形で組み込みました。本手法を、令和元年東日本台風で土砂災害が多発した宮城県丸森町を対象に検証したところ、本手法の数値シミュレーション結果と実際の被害実態がよく一致し、現実の土砂災害に適用可能であることが示されました。本手法は広域を対象として高い解像度で計算できることが特色であり、近い将来の実用化と、土砂災害リスクの高精度な評価やリアルタイム予測への貢献が期待されます。

本研究成果は、2021年5月31日にLandslides誌において公式に掲載されました。

■関連動画(令和元年東日本台風の降雨分布と土砂災害リスクの時間変化):

■詳細

https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20210601_01web_mapping.pdf

■研究室WEBサイト

https://irides.tohoku.ac.jp/organization/moriguchi_shuji.html

■問い合わせ先

東北大学災害科学国際研究所

准教授 森口 周二 

教授 寺田 賢二郎 

TEL: 022-752-2132

Eメール:s_mori*irides.tohoku.ac.jp(森口)(*を@に置き換えてください)

     tei*irides.tohoku.ac.jp(寺田)(*を@に置き換えてください)

※2021年6月 1日 11:00 | 東北大学災害科学国際研究所 プレスリリースより 森口先生のご了承を得て掲載しています。

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所在地 宮城県 仙台市
webサイト http://irides.tohoku.ac.jp/index.html

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