【seedsロボット】足底部背屈を妨げない下肢装具 ~足の縦アーチを活かした効率的な歩行を~

自然な歩行を支援する!「足底部背屈を妨げない下肢装具」 

   ~足の縦アーチを活かした効率的な歩行を~

   東京電機大学  ロボット・メカトロニクス学科助教 井上 淳

■研究目的・背景

片麻痺患者などに用いられる下肢装具は歩行のパフォーマンス向上や筋活動の健常歩行パターンへの近似、下肢筋活動の改善・麻痺の改善を目的として処方される。しかし、患者の残存能力に基づかない処方が脳卒中学会で問題提起されている上、急性期・回復期・維持期の時系列的な視点での変化への細かな対応が難しいという問題も存在する。

そこで、筋・関節可動域への下肢装具の影響を低減させることを目的として、装具の開発を行う事とした。

 

■技術の概要

足底部に機構的特徴を持たせ、自然な歩行を可能とする効果のほかにリハビリテーション効果も有する下肢装具である。

~開発装具の特徴~

〇各指MP関節・拇指の独立背屈が可能

〇足関節部分で分離可

〇ダブルクレンザック継手を用いて足関節の可動域を変更可

~期待される効果~

〇ウィンドラスメカニズムの誘発で効率的な歩行可能

〇足指関節の拘縮予防による廃用症候群の予防

〇重心移動の正常化

a)骨盤上下移動量の軽減

b)足裏重心移動の適正化

 

■従来技術・競合技術との比較

従来技術では、十分な背屈可動域を確保することはできず、また矯正機能を保ったまま重心移動をスムーズにすることはできなかったが、本発明ではこれらの課題を解決した機構を提案している。

 

■新技術の特徴

・歩行時に足指関節が背屈して筋緊張をゆるめることで、拘縮予防効果を有する

・ウィンドラスメカニズムを誘発し、歩行速度を高める

・背屈一方向性を持つことで指の動き、足のアーチの動きを妨げず、装具を用いた際の歩行が自然歩行に近づく

 

■想定される用途

・片麻痺患者の歩行リハビリ

・片麻痺により歩行が困難になった患者の歩行支援

・従来の装具では歩行速度が遅くなる高活動量患者の歩行速度の向上

 

■参考URL

https://shingi.jst.go.jp/var/rev0/0000/7383/2018_dendai_3.pdf

 

■連絡先

東京電機大学 研究推進社会連携センター 産官学交流センター

crc@jim.dendai.ac.jp

 

 

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東京電機大学 研究推進社会連携センター 産官学交流センター

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