【産学連携事例】大阪電気通信大学 ベリーベリープロジェクト

大阪電気通信大学 ベリーベリープロジェクト

大阪電気通信大学工学部環境科学科 化学生物学研究室 教授 齊藤 安貴子

 

■ベリーベリープロジェクトとは

ベリーベリープロジェクトは、環境科学科 齊藤研究室のポリフェノールの機能性研究を行う学生が中心となり、ベリー系果物の栽培・加工・地域連携などの活動を通じ、学術分野にとどまらず応用まで自らが行うことによって視野を広げ、学生が自ら成長すること、色々な場面に対応できる学生として社会に出て活躍することを最終的な目標としたプロジェクト型学習グループです。

 

■研究内容

プロジェクトの中心を担うメンバーが所属する工学部環境科学科 齊藤研究室では、化学・生物の技術を駆使し、食品中のポリフェノールの機能を解明する研究を行っています。
齊藤研究室では、多くの種類があるポリフェノールのなかでも、特に高い機能があるといわれている機能性ポリフェノール「プロアントシアニジン」に着目し、その働きを解き明かす研究を進めています。
この機能性ポリフェノールは体によいといわれながらも、化学的にはその効果がまだ解明されていない部分がたくさんあり、齊藤研究室では有機化学の技術を駆使して、ヒトのガン細胞の増殖を抑える作用や抗菌作用を発揮する構造を明らかにしました。

このような研究成果を広く社会に発信していくため、2015年春に機能性ポリフェノールを多く含むベリー系植物の栽培を始め、この実を使用した「ポリフェノールの機能性を活かした商品」の開発を目指すベリーベリープロジェクトをスタートさせました。

 

■機能性食品の可能性

ベリーベリープロジェクトでは、ポリフェノールの機能解析を進めていくと同時に、ベリー系植物を使用した商品の開発を行っています。
まず、現在プロジェクトとして進めているのは、ラズベリージュースやシロップ、ラズベリーティーなどの商品開発です。
今後は、ベリー系植物を用いての発酵食品の開発を計画しています。
本学では2015年度、酒類試験製造が認可されたことにより、清酒、ビール、果実酒、甘味果実酒の4種類が試験製造できることになりました。齊藤研究室では、既に酵母を用いた発酵研究を行っており、食品からアルコール発酵可能な「酵母」を探索しています。
今後、最適な「酵母」を発酵させ清酒・ビールを製造することで酒類の発酵に必要な技術を学ぶとともに、果実酒や甘味果実酒を製造し、機能性食品としての可能性を研究していきます。

 

■プロジェクトご協力者

〈協力農園〉

我々の学園は圃場を持っていません。しかし、地域の協力を得て、少しずつ栽培が可能になりつつあります。地域連携・産学連携でお互いに協力し合い不可能が可能になりつつあります。

・(福)ハニコウム園芸 ・グリーンガーデン ・はまちえ農園

 

〈加工品製造〉

我々の学園は、現時点では食品加工できる設備がないため、学内で食品加工の作業ができませんが、地域との連携・協力によって進めています。

・(福)ハニコウム園芸 ・東洋紙工㈱ ・かけあしの会

 

■産学連携商品 炭酸飲料『ソルティ・ラズベリー』

東日本大震災復興支援会社「株式会社かけあしの会」が共同開発した炭酸飲料『ソルティ・ラズベリー』。
ベリーベリープロジェクトの学生が育てたラズベリーの果汁(一部)と、かけあしの会による岩手県宮古市 三陸沖の塩を使った夏にぴったりの飲料に仕上がっています。
1本250円/2016年6月15日より本学の大学生協及びかけあしの会(岩手県宮古市)にて販売。

 

地域の企業・団体と連携し、商品開発を行い、また、開発した商品を地域のイベント等を通して提供することで地域活性を目指しています。
これまで、四條畷市や門真市等、大学近隣地域のイベントにて、ラズベリーシロップを使ったかき氷やワッフル、クッキー等を提供し、多くの方々にご好評をいただきました。

~それぞれの味が楽しめるクッキー~

(福)ハニコウム園芸にて栽培したラズベリー果実や葉を乾燥して粉砕しクッキーに加えています。今回は、グレンアンプル、サマーフェスティバル、インディアンサマーという3種の品種ごとに作りました。ラズベリーといっても品種ごとに少しずつ味や酸味が違います。また、葉も独特の香ばしさがあります。品種ごとのクッキー、現在は時期限定(果実が収穫できる時期)ですが、今後少しずつ栽培量を増やしていく予定です。

 

■今後

学生自らが、地域の方々や企業の方々と直接連携して地域が活性化されること(「地域活性」)。

学科の枠を超え、他学部や地域、企業の方々と活動する経験を積むことで学生の視野を広げ、自主性と向上心を伸ばしていくこと(「学生の成長」)。
この2つのコンセプトを両輪に、今後もベリーベリープロジェクトの活動を進展させていきます。

 

■お問い合わせ先

大阪電気通信大学工学部環境科学科

化学生物学研究室 教授

(株)べりーらぼ(大学内ベンチャー企業) 代表取締役

齊藤 安貴子

〒572-8530

大阪府寝屋川市初町18-8

e-mail: a-saito@osakac.ac.jp

 

 

The following two tabs change content below.
大阪電気通信大学 所在地 大阪府 寝屋川市 工学部環境科学科 化学生物学研究室 教授 齊藤 安貴子 webサイト https://www.osakac.ac.jp/

最新記事 by 大阪電気通信大学 工学部環境科学科 化学生物学研究室 教授 齊藤 安貴子 (全て見る)

大阪電気通信大学 工学部環境科学科 化学生物学研究室 教授 齊藤 安貴子

投稿者プロフィール

大阪電気通信大学
所在地 大阪府 寝屋川市
工学部環境科学科 化学生物学研究室 教授 齊藤 安貴子
webサイト https://www.osakac.ac.jp/

関連記事

産学連携推進専門委員

ページ上部へ戻る
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。